Top Message

トップメッセージ

飛躍的成長に向けた基盤をこれからの5年間で構築していく

2025年度は、前中期経営計画「増強21-25」の最終年度でありました。「増強21-25」においては、半導体不況の影響を受け一時厳しい状況に直面したものの、2024年度以降、業績が回復し、2025年度の営業利益、当期純利益とも過去最高となり、ROE、ROICも計画当初の目標であった10%を上回りました。ただし、目標としていた売上高600億円、営業利益100億円には到達することができませんでした。この結果を踏まえ、2026年度から、5年間の新・中期経営計画「進化26-30」を開始しました。新しい中期経営計画のビジョンは、「選ばれるグローバルニッチNo.1企業へ更なる『進化』を遂げて、2035年への飛躍的な成長に向けた基盤を作る」です。

今後、当社が取り組むべきことは、利益重視で高収益体質への変革を進め、稼ぐ力を増強してきたフジボウという会社を、次の成長段階へと押し上げていくことです。今回の中期経営計画は2030年度までの5年間の計画ですが、さらにその先の2035年度を目標に、売上高1,000億円、営業利益200億円というもう一段階高いステージを目指します。「進化26-30」の前半3か年は、前中期経営計画「増強21-25」で取り組んだ施策の効果発現によって未達であった営業利益100億円の早期達成を目指すとともに、事業基盤・機能基盤の「進化」に取り組みます。後半2か年は、「進化」した事業基盤・機能基盤の上に立って、飛躍的成長を始動させていきます。数値目標としては、2030年度に売上高650億円、営業利益130億円を掲げています。

 

ポートフォリオの進化とイノベーションの推進により、事業基盤を「進化」させる

事業基盤の「進化」では、まず、事業ポートフォリオのさらなる高度化に取り組みます。「進化26-30」の5年間で総額480億円を、成長性・収益性の高い研磨材事業および化学工業品事業を中心に投資する計画です。特に研磨材事業にはその7割超に当たる350億円を配分します。

事業基盤の「進化」のもう一つの柱が、イノベーションの推進による新規事業の創出です。当社が10年、20年と中長期的に成長を継続するためには、新たな事業を生み出していかなければなりません。研磨材事業を中心に、各事業における新しい知財戦略の推進や新しい部材の開発を進めていきます。また、将来の事業の柱となり得るイノベーションの創出に向け、人財・設備・資金をはじめとする経営資源を投下し、着実に推進する方針です。

 

機能基盤の「進化」のポイントは人的資本、DX、財務戦略

「進化26-30」のもう一つの重点施策である「機能基盤の『進化』」では、①人的資本への投資、②製造・業務プロセスのDX、③経営基盤・財務戦略、という大きく3つのテーマを掲げ、重点的に取り組んでまいります。

人的資本への投資として、具体的には、①業績にふさわしい賃金水準への引き上げ、②将来の成長実現に向けた人財教育への投資と採用強化、③役割・成果・貢献度に応じた評価・処遇の実現、を実施してまいります。これら人事に関わる取り組みを通じ、従業員のエンゲージメントを更に高め、持続的な成長と企業価値の向上につなげていく考えです。

経営基盤の「進化」では、取締役会・経営会議の機能強化や、役員の育成・登用の仕組みの整備を進めています。また、財務戦略の「進化」では、成長投資と株主還元を両立するキャッシュ・フロー運営、ROEやROICといった指標の向上を目指したバランスシート運営強化を推進していきます。

 

ステークホルダーの皆さまへ

最後になりましたが、株主還元方針についてご説明いたします。「進化26-30」では、成長の成果分配を強化する観点から、配当性向目標を現状の35%から40%へと引き上げ、DOEは引き続き3.5%を下限とすることとしました。当社は株主への利益還元を経営の最重要課題と位置付けており、さらなる還元強化も検討してまいります。

「進化26-30」は、当社にとって第6次の中期経営計画になります。最初の中期経営計画「変身06-10」は、会社が非常に厳しい状況にあったところから収益性の高い会社へと変身を遂げようとする、構造改革の取り組みの起点となりました。「変身」は、今も変わらない、当社経営のベースにある大きな考え方です。構造改革のスタートから20年を経て高収益の会社へと変わることができ、過去最高益も記録し、一つの節目となったと受け止めております。

一方で忘れてならないのは、構造改革に取り組んできた歩みの中で、多くのステークホルダーの皆さまのご理解、ご支援、ご助言をいただいてきたことです。「進化26-30」では新規事業の創出を目指す方向性も打ち出し、これまで以上にステークホルダーの皆さまとの対話やコミュニケーションの重要性が一層高まると考えております。私たちは、これからも企業価値向上に力を尽くしてまいります。株主・投資家の皆さまをはじめとするステークホルダーの皆さまには、引き続きご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

取締役社長 井上 雅偉