Top Message

トップメッセージ

革新に挑み、非連続な成長を実現する

不確実性の高い経営環境下で、革新へ挑む

当社は、経営の最重要テーマを「変身」と掲げ、中期経営計画「増強21–25」では、儲かるビジネスへの転換により収益性を向上させ、「稼ぐ力」を増強することで顧客に選ばれるニッチナンバーワン企業を目指して、2025年度営業利益100億円の達成に向けて取り組んでいます。
現在、世界は新型コロナウイルスの感染が収束に向かい、経済活動も回復の兆しを見せていますが、資源・エネルギー価格は国際情勢の悪化を背景に高水準で推移し、インフレが継続するなど先行き不透明な状況が続いています。加えて、熱波の常態化、干ばつ、大規模山火事、豪雨による洪水といった気候変動問題が一段と深刻化しており、その解決に向けて、より基本に立ち返る必要性が高まっているといえます。また、2023年3月期より有価証券報告書においてサステナビリティ(気候変動への対応、人的資本、多様性など)に関する情報の開示が必須となるなど、ステークホルダーの皆さまから信頼される非財務情報の開示が企業には期待されています。
このように、企業を取り巻く環境は引き続き不確実性の高い状況が見込まれるものの、当社は世界情勢や経済動向を注視しつつ革新に挑み、中期経営計画「増強21–25」の達成に向けて、サステナビリティ経営を強化してまいります。

サステナビリティ経営の推進

当社では、サステナビリティ推進活動として、自社のビジネスプロセスに関わる環境・社会・ガバナンスの課題解決に向けて、環境負荷の低減やワークライフバランスの充実化などに積極的に取り組んでいます。2022年度の取り組みとしては、主にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)対応の推進、従業員の安全と健康に配慮した健康経営の推進、女性が活躍できる職場環境を整備し、仕事と育児・介護の両立支援を推進しました。
まず、環境面ではTCFD対応として、温室効果ガス排出量(Scope3)を算定し、サプライチェーン排出量の見える化を進めました。また、温室効果ガス排出量削減の取り組みでは、柳井化学工業においてZEB(Net ZeroEnergy Building)設計の倉庫を新設し、再生可能エネルギーの活用により環境負荷低減を図っています。
次に、社会面では多様な個性を持つ従業員がそれぞれの力を十分に発揮することがイノベーションの源泉と考え、多様な人財が活躍できる風土を醸成し、人的資本経営を推進しています。2022年9月に健康経営宣言を行って、従業員の健康管理を推進し、翌年3月に「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」の認定を受けました。また、女性従業員の経営参画に向けたキャリア形成支援では、フジボウ愛媛などの工場においても女性管理職の登用を進めています。さらに、働き方改革では、DXツールの活用により従業員一人ひとりが仕事に取り組む意識と仕事のやり方を変え、生産性やモチベーションを高める活動を進めています。
最後に、コーポレート・ガバナンス面では、引き続き、法令、社会規範、倫理、社内規程などを遵守しリスク管理を徹底します。今後は、サステナビリティ情報の信頼性確保に向けて内部統制機能を強化し、経営の効率性の追求と透明性・健全性の確保により株主価値の最大化を図ります。
私たちは、今後も地域・社会・地球環境との調和を大切にしながら、サステナビリティ経営の強化を実践し、ステークホルダーの皆さまから信頼される企業を目指して、持続可能な循環型社会の発展に貢献してまいります。

富士紡ホールディングス株式会社
代表取締役社長 井上 雅偉